「良くなってきたから大丈夫」で終わらせない。訪問施術で私が大切にしている「立ち止まる判断」

こんにちは!太宰府市・筑紫野市・大野城市を中心に、訪問鍼灸マッサージを行っております「たがみ訪問鍼灸マッサージ」の田上雅寛です。

今回は、80代男性の患者さんとの実例を通して、私が日頃の訪問施術で大切にしている「多職種(医師・ケアマネジャー等)との連携・情報共有」についてお話しします。

目次

臨時訪問で確認した「右脚の脱力」と「筋肉のピクつき」

この患者さんは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)や肺水腫の既往があり、ご自宅で在宅酸素療法(HOT)を受けられています。

ある日、ご本人から、

「次回の予定日ではないのですが、今日診てもらえませんか?」

とご連絡をいただきました。

お話を伺うと、右脚に力が入りにくい状態が続いており、さらに腹部から右脚にかけて、ピクピクとした不随意な筋肉の収縮が繰り返し起きているとのことでした。

「夕方になりますが伺えますよ」

とお伝えして訪問しました。

その後、既往歴や全身状態に細心の注意を払いながら、予定日以外にも数回にわたり臨時の訪問施術を行いました。

症状は軽減。それでも「施術だけで抱え込まない」と決めた理由

何度か施術を重ねるうちに、ご本人が気にされていた症状は徐々に落ち着き、筋肉のピクつきも軽減してきました。

施術者として、目の前の症状が和らぐことはもちろん嬉しいことです。

しかし、私の心の中には「ある違和感と引っかかり」が残っていました。

「症状が軽くなったからといって、このまま鍼灸マッサージの経過観察だけで終わらせていいのだろうか?」

この患者さんは、COPDや肺水腫の既往があり、在宅酸素療法を受けられている方でもあります。

右脚の脱力や筋肉のピクつきには、さまざまな要因が考えられます。

だからこそ、症状が軽減してきたという事実だけで「もう大丈夫」と判断するのではなく、自分の専門領域だけで原因を決めつけないことが大切だと考えました。

私たち鍼灸マッサージ師は、医師のように病態を確定診断する立場ではありません。

「良くなってきたから大丈夫」と自分の腕を過信して抱え込むのではなく、「自分の専門領域外の可能性を考慮し、主治医へ正確な事実を報告・共有しよう」と判断し、普段から担当されている往診の先生へ速やかに連絡を入れました。

在宅医療・介護はチーム戦。「少し気になる」を見逃さない役割

ご自宅で暮らす療養者さんの周りには、医師、訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパー、リハビリ職など、多くの専門職が関わっています。

私たち訪問鍼灸マッサージ師も、そのチームの「ひとつの目」です。

訪問施術の強みの一つは、「患者さんの身体に直接、定期的に触れている」という点にあります。

だからこそ、

  • 「いつもと呼吸のリズムや表情が少し違う」
  • 「バイタルは落ち着いているけれど、筋肉の緊張パターンがいつもと違う」
  • 「これくらいなら大丈夫かもしれないが、なんとなく気になる」

といった、日頃の小さな異変にいち早く気づけるポジションでもあります。

すべての違和感が大病の前兆とは限りません。

しかし、「何事もなければそれで安心」ですし、もし何か潜んでいたとしても「早期の医療的アプローチ」につなげることができます。

施術の技術と同じくらい「立ち止まる勇気」を大切にしたい

訪問鍼灸マッサージの仕事は、単に筋肉をほぐしたり痛みを和らげたりする「施術の技術」だけで完結するものではありません。

患者さんの命と日常をお預かりしている一員として、

「これは本当に、自分たちだけで判断して良い変化なのか?」

と一歩立ち止まり、多職種へバトンを渡せること。

それこそが、在宅に関わる施術者が持つべき誠実さだと考えています。

これからも太宰府市・筑紫野市・大野城市の地域の皆様、そして医療・介護に携わる多職種の皆様と密に連携を取り合いながら、患者さんが安心して在宅生活を続けられるよう伴走してまいります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それではまた。

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