脳出血・その後遺症とマッサージ
こんにちは。福岡県太宰府市を中心に筑紫野市・大野城市・春日市で訪問鍼灸マッサージをしている田上です。
今回は、訪問マッサージをご利用される患者様の中で多い疾患である、脳出血やその後の後遺症についてのお話をさせて頂きます。
目次を作っていますので、読みたい項目まで飛んでください。
それではお話ししていきます。
脳出血とは?
脳出血とは、脳内の細い動脈が破れて脳内出血する病気で、脳卒中の症状のひとつです。
脳の血管から流れ出た血液が脳の神経細胞を圧迫することで、頭痛や吐き気、手足の麻痺などの症状を引き起こします。
脳出血後には、麻痺・筋力低下・運動障害などの後遺症が起こることがあります。
「脳梗塞」と「脳出血」は異なります。
「脳梗塞」は脳の血管が詰まり、「脳出血」は脳の血管が破裂して出血する状態です。
1975年までは脳出血が多かったのですが、それ以降は逆転し脳梗塞が多くなっています。
脳出血も脳梗塞と同じように、その後の後遺症に苦しむ人が多いです。
脳出血の症状
脳出血にはどんな症状があるのでしょうか。
脳出血の症状は、出血した部位や量によって異なりますが、一般的に次のようなものが見られます。
- 頭痛
- 強いめまい
- 吐き気
- 嘔吐
- 身体の片側の手足の麻痺やしびれ
- 言葉が出てこない
- 呂律が回らない
などです。
脳出血は、脳内の細い動脈が破れて脳内出血することで、出血した血液が血腫となり、脳を圧迫することで症状を引き起こします。
脳出血の症状は、ほとんど前触れなく突然発症することが特徴で、脳梗塞と似た症状のため見分けることが難しい場合があります。
脳梗塞よりも、短時間の間に症状が変化することが多いのが特徴です。
脳出血も脳梗塞と同じように、後遺症に苦しむ人が多いです。
脳出血後遺症の症状
脳出血の後遺症にはどんなものがあるでしょうか。
脳出血の後遺症には、次のような症状があります。
- 片麻痺などの運動障害
- 構音障害(こうおんしょうがい)や嚥下障害(えんげしょううがい)などの機能障害
- 失語や失行、判断力の低下などの高次脳機能障害
- 視野が狭い
- 感覚が鈍い、しびれる
- 身体のバランスが取れない
- 意思とは別に身体が動いてします
- うまく話ができない
- 話が理解できない
- 言葉が思い出せない
などがあります。
構音障害(こうおんしょうがい)とは、言葉は理解いているし、伝えたい言葉はハッキリしているけど、音を作る器官やその動きに問題があって発音がうまくできない状態を言います。
嚥下障害(えんげしょうがい)とは、食べ物を上手く飲み込めないことを言います。
脳出血の後遺症は、脳梗塞同様、脳組織に損傷をきたすことが原因です。
日常生活に支障をきたすものがほとんどで、生活習慣病の中でも発生率が高く寝たきりの1位に挙げられています。
また、脳出血に罹患した後の再出血も比較的起こりやすい合併症です。
脳出血の原因とは?
それでは、脳出血の原因にはどんなものがあるでしょうか?
脳出血の原因は、主に高血圧や生活習慣病による動脈硬化、先天性の疾患や薬剤の影響です。
脳出血の原因として最も多いのは高血圧で、高血圧によって血管壁がダメージを受けてやがて破裂します。
高血圧は生活習慣病の一種で、塩分の摂りすぎ、喫煙、過度の飲酒、運動不足、ストレス、肥満などが原因になります。
高血圧以外の原因としては次のようなものがあります。
- 脳動静脈奇形、脳アミロイドアンギオパチーなどの先天性の疾患
- 脳腫瘍からの出血
- 抗凝固薬などの血液をサラサラにする薬の服用
- 腎不全や血液疾患などの他疾患
生活習慣には気をつけないといけませんね。
脳出血の予防とは?
脳出血の予防にはどんなものがあるでしょうか。
脳出血の予防には、生活習慣の改善がとても重要です。
特に、脳出血の最大の原因である高血圧をコントロールすることが大切です。
次のように生活習慣を変えていきましょう。
まずは、兎にも角にも食事改善です。
減塩する
食事改善では、減塩を意識しましょう。醤油や味噌などの調味料にも塩分が多く含まれているので注意しましょう。
塩は塩でも、人工的な塩はとにかく要注意です。
塩というより、塩化ナトリウムという物質です。
この人工的な塩である塩化ナトリウムが高血圧を引き起こしています。
ですので、塩を使う場合は、天然に限りなく近い塩を使ってください。
糖質の摂りすぎに注意
そして、糖質の摂りすぎも注意しましょう。
特に砂糖。
砂糖は急激に血糖値を上げます。
そしてそれを下げようと大量のインスリンが出ます。
糖質量が多い場合もそうです。
インスリンが多く出て血糖値を下げようと働きます。
その過程で血管壁が傷つけられやすく、その傷が原因で血管が脆くなります。
ですので、糖質の量と質には要注意です。
粗悪な油を避ける
粗悪な油も避けましょう。
粗悪な油とは、サラダ油や胡麻油、べにばな油やコーン油、マヨネーズなどのオメガ6系脂肪酸と、マーガリンやショートニングなどのトランス脂肪酸です。
コンビニ弁当や菓子パン、加工食品にはオメガ6系脂肪酸やトランス脂肪酸が大量に使われています。
ですから、できるだけコンビニ弁当やスーパーの加工食品は避けましょう。
適度な運動をする
運動は動脈硬化の予防効果があります。
ですので、少しずつでもいいので運動を始めましょう。
ウォーキング、ジョイング、水泳、エアロビクス、テニスなどの有酸素運動を習慣化させましょう。
その他には、禁煙、お酒を控えること、ストレスを溜めないようにすること、睡眠をしっかり取ることが予防に繋がります。
脳出血を予防するには、肥満を含めた生活習慣病の管理が重要です。
脳出血の治療
脳出血の治療にはどんなものがあるのでしょうか。
脳出血の治療には、薬物治療や手術治療などがあります。
治療法は、出血の場所や量、症状によって異なります。
薬物治療
脳出血の治療では、まず血圧を下げる薬(降圧薬)を点滴して、再び出血したり血腫が大きくなったりするのを防ぎます。
また、脳の腫れが強い場合はそれを緩和する点滴を行います。
手術療法
出血量が多く脳を圧迫して症状が悪化している場合は、手術が必要になります。
手術には、全身麻酔下で行われる開頭血腫除去術や、頭部に穴を開けて血腫を吸い取る血腫吸引術などがあります。
リハビリテーション
脳出血を起こした場合は、多くの場合半身麻痺などの後遺症が残ります。
後遺症を少なくするためには、発症後早い段階からリハビリテーションを行う必要があります。
後遺症は本当に辛いです。
早めにリハビリを開始しましょう。
脳出血とマッサージ
脳出血と、その後遺症にはマッサージが有効です。
脳出血が起きると、高確率で後遺症が残ります。
後遺症は様々ですが、手足が上手く動かせなかったり、麻痺して硬直したりします。
麻痺したところは、必ず筋肉が硬直して硬くなり、関節の曲げ伸ばしが難しくなります。
ですので、筋肉の緊張を緩めたり、関節の動く範囲を確保することが重要です。
そこで有効になるのが、マッサージや鍼灸治療です。
脳出血の後遺症では、先ほどお話しした麻痺や関節拘縮(かんせつこうしゅく)が起きますが、その他にも、筋力低下や運動障害が起きます。
通常のマッサージと、リハビリマッサージをすることでそれらを改善し、運動機能を回復させることができます。
その他にも、マッサージや鍼灸治療によって血行を促進し、細胞に必要な酸素や栄養素を運びやすくなり、細胞の代謝が活性化されます。
また、筋肉の緊張や硬直による痛みを緩和することができ、精神的な安定も促すことができます。
ですので、脳出血やその後遺症にはマッサージや、リハビリマッサージ、鍼灸治療をお勧めします。
まとめ
脳出血は脳梗塞より症状の進行が早く、高確率で後遺症が残ります。
ですので、生活習慣を見直し、脳出血にならないように予防をしましょう。
もし、なってしまったら、できるだけ早くリハビリやマッサージをしましょう。
それが、どこまで機能回復するかに密接に関わっています。
まずは予防。
それでもなってしまったら、最大限のリカバリーを考えましょう。
それではまた。