脳卒中・その後遺症とマッサージ
こんにちは。福岡県太宰府市を中心に筑紫野市・大野城市・春日市で訪問鍼灸マッサージをしている田上です。
今回は、訪問マッサージをご利用される患者様の中で多い疾患である、脳卒中やその後の後遺症についてのお話をさせて頂きます。
目次を作っていますので、読みたい項目まで飛んでください。
それではお話ししていきます。
脳卒中とは
脳卒中(のうそっちゅう)は、脳の血管が詰まったり破れたりして脳の血流が途絶え、様々な症状を引き起こす病気です。
正式には、「脳血管障害(のうけっかんしょうがい)」と呼ばれ、日本人の三大死因のひとつです。
脳卒中は突然発症するのが特徴で、後遺症により生活に支障をきたすことが多く、重度の要介護状態を引き起こす最大の原因となっています。
発症後、早く治療を開始すれば後遺症を軽くすることも可能です。
脳卒中を疑う症状が出た場合は、すぐに救急車を呼ぶなどの初期対応が重要です。
症状にもよりますが、発症してから4時間30分以内であれば、血栓(けっせん)を溶かす薬(tPA)を用いて血栓を溶かしたり、6時間以内であればカテーテルという細かくて柔らかい管を用いた血管内治療で血栓を除去できます。
脳卒中の症状
脳卒中にはどんな症状があるのでしょうか。
脳卒中にの主な症状には次のようなものがあります。
- 片方の手足や顔の半分が麻痺したり、痺れたりする
- ろれつが回らない
- 言葉が出てこない
- 他の人が言っていることが理解できない
- 立とうとするが立てない
- 歩けない
- フラフラする
- 片方の目が見えない
- ものが2つに見える
- 視野の半分が欠ける
- 経験したことのない激しい頭痛
- 風邪でもないのに頭痛
- 吐き気
- めまい
などです。
脳卒中は、早期の対応で後遺症の重さに影響をかなり与えます。
しかし、いきなりそんな場面にでくわしたら、わけわかんなくなりますよね。
もし、ご家族や身近な人がなんかおかしいな?と思ったら、次の3つのテストをしてみてください。
①Face(顔の麻痺)
「笑ってみて」とお声かけして、上手く笑えず、顔の片側が下がりっぱなしだったら要注意です。
②Arm(腕の麻痺)
両腕を上げたままキープをしてもらい、片側がキープできずにダラんと落ちたら要注意です。
③Speech(言葉の障害)
短い分がいつも通り話せず、ろれつが回らない場合は要注意です。
脳卒中の後遺症
脳卒中は発症してから時間が経つにつれて、後遺症の重症度が高くなります。
脳卒中の後遺症には、次のようなものがあります。
- 手足の麻痺などの目にみえる障害
- 失語や失行、判断力の低下、行動異常などの高次脳機能障害
- 意欲低下や情動障害などの感情障害
- ろれつが回らないなどの構音障害(こうおんしょうがい)
- 感覚が鈍くなる感覚障害
- 筋肉の緊張が強くなり動かしにくくなったり、勝手に動いてしまう、痙縮(けいしゅく)
脳卒中後遺症の治療は、脳の血管が詰まったり破れたり出血したりして、脳組織に損傷をきたすことで起こりますので、破壊された部位によって現れる症状は異なります。
症状は異なりますが、日常生活に支障をきたすものが少なくありません。
ですので、今までの生活と一変します。
脳卒中の原因
脳卒中の原因にはどんなものがあるのでしょうか。
脳卒中の主な原因は、高血圧や糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙、飲酒などの生活習慣病が引き起こす動脈硬化です。
動脈硬化が進むと、血管が詰まったり破れたりして、脳卒中を引き起こします。
脳卒中の予防
原因がわかれば予防法がわかります。
脳卒中の予防には次のような方法があります。
減塩する
食事改善では、減塩を意識しましょう。醤油や味噌などの調味料にも塩分が多く含まれているので注意しましょう。
塩は塩でも、人工的な塩はとにかく要注意です。
塩というより、塩化ナトリウムという物質です。
この人工的な塩である塩化ナトリウムが高血圧を引き起こしています。
ですので、塩を使う場合は、天然に限りなく近い塩を使ってください。
糖質の摂りすぎに注意
そして、糖質の摂りすぎも注意しましょう。
特に砂糖。
砂糖は急激に血糖値を上げます。
そしてそれを下げようと大量のインスリンが出ます。
糖質量が多い場合もそうです。
インスリンが多く出て血糖値を下げようと働きます。
その過程で血管壁が傷つけられやすく、その傷が原因で血管が脆くなります。
ですので、糖質の量と質には要注意です。
粗悪な油を避ける
粗悪な油も避けましょう。
粗悪な油とは、サラダ油や胡麻油、べにばな油やコーン油、マヨネーズなどのオメガ6系脂肪酸と、マーガリンやショートニングなどのトランス脂肪酸です。
コンビニ弁当や菓子パン、加工食品にはオメガ6系脂肪酸やトランス脂肪酸が大量に使われています。
ですから、できるだけコンビニ弁当やスーパーの加工食品は避けましょう。
適度な運動をする
運動は動脈硬化の予防効果があります。
ですので、少しずつでもいいので運動を始めましょう。
ウォーキング、ジョイング、水泳、エアロビクス、テニスなどの有酸素運動を習慣化させましょう。
不整脈の早期発見と治療
心房細動という不整脈の早期発見と治療も重要です。
血栓を作ってしまい、それが血流に乗って脳の血管に詰まらせる場合があるからです。
脳ドッグを受ける
脳ドックは、日本脳ドック学会に加盟している病院や脳卒中予防に特化した脳ドックで受診しましょう。
今現時点で、リスクが高い脳血管はないか?を診てもらい、見つかれば早期に治療しましょう。
その他には、禁煙、お酒を控えること、ストレスを溜めないようにすること、睡眠をしっかり取ることが予防に繋がります。
脳卒中の治療
脳卒中の治療にはどんなものがあるのでしょうか。
脳卒中の治療には、次のようなものがあります。
抗血栓薬内服や点滴
脳梗塞の症状の悪化や、再発を予防します。
血栓溶解療法(t-PA療法)
血管内に詰まった血栓を溶かす薬(t-PA)を点滴で投与します。
血栓回収療法
カテーテルを血管に入れて血栓を直接除去する外科的治療です」。
リハビリテーション
発症早期から行い、症状に応じて体位変換や歩行訓練などの訓練を行います。
また、脳卒中では、呼吸管理や循環管理、水分補給や栄養補助、感染症の予防や治療なども必要です。
脳卒中とマッサージ
脳卒中の後遺症にはマッサージが有効だと考えます。
その理由について解説させていただきます。
麻痺の改善
脳卒中の後遺症として、麻痺が起こることが多いです。
麻痺が起こると、筋肉が緊張して硬くなり、関節も硬くなります。
これを関節拘縮(かんせつこうしゅく)と言いますが、マッサージは、筋肉の緊張をほぐし、関節拘縮を緩和させたり、麻痺した筋肉を刺激することで、麻痺の改善が期待できます。
血行の改善
脳卒中で麻痺が残ると、血行不良を起こします。
動かせないからですね。
そこで、マッサージをすることによって血行を促進することができます。
それにより、細胞に必要な酸素や栄養素を運びやすくなり、脳細胞の回復を促すことが期待できます。
筋肉の強化
脳卒中の後遺症として、筋力低下や運動機能障害を引き起こすことが多いです。
マッサージをすることによって、筋肉を刺激するので、筋肉の強化につながることがあります。
痛みの軽減
脳卒中の後遺症として、麻痺が残り、関節拘縮が起きると、痛みが起こります。
マッサージは、筋肉の緊張をほぐし、関節拘縮を緩和させ、血行を良くするので、痛みを軽減することが期待できます。
心理的なリラックス効果
脳卒中の後遺症によって、今までできたことができなくなったり、今までの生活とは一変するので、ストレスや不安が増えることがあります。
マッサージによって心身のリラックス効果があるため、ストレスや不安を軽減することが期待できます。
これらの理由により、脳卒中の後遺症の回復につながることが期待できます。
まとめ
脳卒中は高確率で後遺症が残ります。
ですので、生活習慣を見直し、脳卒中にならないように予防をしましょう。
もし、なってしまったら、できるだけ早くリハビリやマッサージをしましょう。
それが、どこまで機能回復するか?に密接に関わっています。
まずは予防。
それでもなってしまったら、最大限のリカバリーを考えましょう。
それではまた。