脳梗塞・その後の後遺症とマッサージ
こんにちは。福岡県太宰府市を中心に筑紫野市・大野城市・春日市で訪問鍼灸マッサージをしている田上です。
訪問マッサージのご利用の患者様に多い脳梗塞後遺症(のうこうそくこういしょう)。
そもそもの脳梗塞のお話と、その後の後遺症、そしてその後遺症とマッサージについてまでお話ししていきます。
それでは、脳梗塞とはどんな状態か?というと、脳梗塞とは何らかの原因で脳に分布する血管が詰まってしまい、血流が流れなくなることによって、脳の細胞が酸素不足・栄養不足に陥って死んでしまう病気です。
脳には大小たくさんの血管が走っています。その中で、細い血管が閉塞したことによるラクナ梗塞、太い血管が閉塞したことによるアテローム梗塞、不整脈で心臓の中に血栓ができて、それが血流に乗って脳に到達し、脳の血管を塞いでしまう心原性塞栓の3種類で大別されます。
前触れがあるかもしれませんが、一般的にはほとんど突然発症します。
怖いですよね。
脳梗塞の症状とは
先ほどもお話ししましたが、前触れはほとんどありません。
どの血管が詰まるかによって症状は様々ですが、片側の顔が歪んだり、手足に力が入らなくなったり、急に立ち上がれなくなったり、呂律が回らなくなったり、言葉がずムーズに出てこなくなったり、食べ物を飲み込むことができなくなったり、脳の「筋肉の運動」を司る部位で梗塞が起きることで見られる症状が多くなります。
誰かと一緒にいたら、周りの人が気づくかもしれません。
私の祖母が脳梗塞になった時は、一緒にいた私の母が気づきました。
祖母の場合は、立ち上がれなくなりました。
気づいた母がすごいと思いました。
脳梗塞の原因と予防とは?
脳梗塞の原因って何でしょうか?
発症を防ぐためには、その原因を知ることが重要ですね。
生活習慣
原因としては、まず、高血圧・糖尿病・脂質異常・高尿酸値血症・それらを引き起こすメタボリックシンドロームです。
そして、これらを引き起こす生活習慣や慢性腎障害が引き金です。
これらがあることで、動脈硬化を少しずつ進行させ、やがて血管が詰まったり、細くなったりして脳梗塞を引き起こします。
生活習慣病は、自覚症状が乏しく検査をしないと見つかりません。
そして、見つかったとしても、ドクターに言われても、危機感を感じにくいです。
差し迫った症状がないからですね。
しかし、予防を考えるなら、定期的に健康診断を受けて、異常を指摘されたら放置せず、積極的に治療を開始しましょう。
耳が痛いかもしれませんが、喫煙されている方は、やはり禁煙をお勧めします。
お酒を飲みすぎている方は、禁酒まではいかなくても、量を減らしましょう。
運動不足の方は、少しずつでも運動を取り入れましょう。
こまめな水分補給も重要です。
食事面はいろいろ対策があります。
まずは、糖質の摂りすぎを改善しましょう。特に砂糖がたくさん入っているものは避けましょう。
砂糖は血糖値を急激に上げます。
血糖値が急激に上がると、インスリンがドバッと一気に出て血糖値を下げようとします。この一連の作用の時に血管内壁が傷つきやすく、血管内壁が傷つくと血管閉塞につながりますので要注意です。
また、粗悪な油の取りすぎに注意です。
粗悪な油とは、オメガ6系脂肪酸やマーガリンやショートニングなどのトランンス脂肪酸です。
コンビニのパンやお弁当などばっかり食べていると、糖質や粗悪な油を摂りすぎてしまうので要注意です。
手軽で簡単だからつい食べてしまう気持ちはわかります。
少しずつ減らしましょう。
不整脈
心房細動という不整脈も脳梗塞の原因になります。
不整脈によって、心臓内の血流のよどみが起き、それによって血栓ができます。
それが血流に乗って、脳の血管に詰まって脳梗塞を引き起こします。
ただ、この不整脈も自覚症状に乏しく、塞栓症を引き起こして初めて気づく方も多いです。
予防としては、過度な疲労やストレスを解消すること。適度な運動、適切な睡眠、食事内容の見直し、禁煙、お酒を控えること。
ですね。
これまた耳が痛いですね。
食事に関しては、先ほど生活習慣のところでお話ししたこととかぶっています。
お仕事頑張りすぎて、睡眠時間が短いなんてことになっていませんか?
睡眠もしっかりとりましょう。
脳梗塞の治療法とは?
それでは、脳梗塞の治療法とはどんなものがあるでしょうか?
これまでの脳梗塞の治療は、抗血栓薬・脳保護薬・脳浮腫薬を用いて悪化や再発を防ぐことが目的でしたが、最近では数時間以内の脳梗塞では、詰まった血管を早期に再開通させれば、脳細胞が受けるダメージの範囲を少しでも小さくすることができ、症状が回復する可能性があることがわかっています。
CTやMRI検査で、脳梗塞が進行して回復不能になっていないか?まだ脳組織が救済可能かどうか?を確認してから、再開通治療が可能かを判断してから、もし、まだ可能性がある場合にはt-PA静注療法や血管回収術(カテーテル治療)による再開通治療を試みます。
もし、脳梗塞が進行していて回復不能になっている場合は、従来までの、抗血栓薬・脳保護薬・抗脳浮腫薬なども用いて治療を行います。
そして、脳梗塞は脳梗塞自体もそうですが、それに伴う脳梗塞後遺症が辛いです。
脳梗塞後遺症をどれだけ防げるか、どれだけ回復させるかが重要です。
脳梗塞のリハビリ
脳梗塞のリハビリは急性期・回復期・生活期の3つに分類されています。
急性期は発症から2〜3週間程度、回復期は発症から3〜6ヶ月程度、生活期はそれ以降を指します。
脳梗塞後のリハビリは急性期・回復期・生活期それぞれ役割も行われる場所も異なります。
急性期
急性期は、発症から2〜3週間程度のこと差し、発症時に入院した病院で行います。
この時期は、再発予防のための治療と検査を行いながら、身体機能の衰えを予防するリハビリをします。
回復期
回復期は、発症から3〜6ヶ月後をさし、症状の改善に加え、生活機能を高めることを目標とし、リハビリを専門とした病棟・病院で行われます。
この時期は、入院するかどうかは、患者さんの症状や、目標とする生活環境によって決めます。
生活期
最後の生活期は家や施設に戻って行われるため、実際の生活ができるように生活環境などを整えることも大切になります。
脳梗塞とマッサージ
脳梗塞とマッサージ治療についてお話ししていきますね。
先ほどもお話ししましたが、脳梗塞は脳梗塞自体も辛いですが、その後の、脳梗塞後遺症も辛いです。
麻痺が残ったり、呂律が回らないままになったり、スムーズに歩けなくなったりと、今までの生活とは一変するからです。
我々、訪問マッサージが介入するのは、回復期途中と、生活期です。
どうしても、脳梗塞後遺症では麻痺が残ります。
身体の片側が麻痺する片麻痺という状態ですね。
その片麻痺という状態は、麻痺側は拘縮(こうしゅく)と言って、筋肉が固まり、関節が固まります。
その拘縮を和らげる必要があるのです。
なぜなら、拘縮は進行するからです。
どんどん進行します。
どんどん硬くなります。
そうすると、頑張ってしているリハビリの効果が小さくなったり、今よりもっと動きに制限がでたり、痛みが強くなったりします。
そうなってしまうと、生活の質がどんどん下がってしまいますよね。
ですので、麻痺による関節拘縮を緩和させるマッサージが必要なんです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
脳梗塞はほとんどがいきなり発症します。
そして、後遺症は辛く、その後の生活に影を落とします。
予防がすごく大事です。
私も含めてですが、生活習慣には気をつけましょう。