「目が見えなくなるから、最後の一個を先生に」涙腺が崩壊した翌週に起きた、まさかの出来事

太宰府市・筑紫野市・大野城市で訪問リハビリマッサージをしている田上代表のブログ記事の画像

こんにちは!太宰府市・筑紫野市・大野城市で訪問鍼灸マッサージをしております、たがみ訪問鍼灸マッサージの田上です。

ご高齢のご両親を介護されているご家族から、「最近、親が何度も同じことを言うようになって、ついキツく当たってしまって…」というお悩みをよく伺います。

今日は、そんなご家族の心が少しフッと軽くなるような、私が過去に担当したある患者様との「泣けるけど、ちょっと笑える」エピソードをご紹介します。

目次

「最後の一個を、先生にあげる」

数年前に担当しており、最近になって施設へ入居されたタイミングで、再びご縁があって施術に入らせていただいている80代後半の女性の患者様(廃用症候群・両腕の痛み)がいらっしゃいます。

その方は昔から手芸が大好きで、ご自身で作った小銭入れを販売するほどの腕前でした。

先日、いつも通り施設へ施術に伺うと、患者様が手作りの素敵な小銭入れをスッと差し出して、

「先生、これもらって」

と仰ったのです。

お話を伺うと、緑内障が進行しており、病院の先生からは「もう年齢的に手術はできない」と宣告されてしまったとのこと。

「もう目が見えんくなるとよ」

「だから、これが私が作った最後の一個」

「先生にあげる」

嬉しさと悲しさが入り混じる、複雑な感情

その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がギュッと締め付けられました。

自分の視力が失われていく恐怖や悲しみの中で、

「最後に作った大切な作品を、私に渡したい」

と思ってくださったそのお気持ち。

治療家としてこれほど嬉しいことはありませんが、同時に、大好きな手芸ができなくなっていく患者様の喪失感を想うと、とても悲しく、複雑な気持ちになりました。

いただいた小銭入れは、今でも私の大切な宝物として使わせてもらっています。

…という、涙なしでは語れない感動のエピソードなのですが、実はこのお話には「続き」があります。

翌週、ふたたび涙の展開……?

その感動の出来事から1週間後。

再び施設へ施術に伺うと、その患者様が、またスッと私の前に手作りの小銭入れを差し出して、こう仰ったのです。

「先生、もう目が見えんくなるとよ」

「だから、最後の一個を先生にあげる」

……お気づきでしょうか?

そう、患者様は先週私に小銭入れをプレゼントしたことをすっかり忘れ、「全く同じ感動のセリフ」とともに、私に、

“2個目の最後の小銭入れ”

をプレゼントしてくださったのです。笑

物忘れの奥にある「変わらない優しさ」

私は心の中で「先週も最後の一個もらいました!!笑」とツッコミを入れながらも、ありがたく2個目の小銭入れを受け取りました。

歳を重ねると、視力が落ちたり、記憶が少しずつ抜け落ちてしまったりすることは、誰にでも起こり得ます。

ご家族としては、同じことを何度も繰り返されると戸惑ったり、イライラしてしまうこともあるかもしれません。

でも、この患者様のように、

「誰かに喜んでほしい」

「感謝を伝えたい」

という、根底にある温かい感情や優しさは、決して失われることはありません。

私が訪問マッサージでケアをするのは、筋肉や関節の痛みだけではありません。

こうした「老いに伴う変化や物忘れ」も丸ごと受け止め、一緒に笑い合いながら、ご本人とご家族の生活に寄り添っていくのが私たちの役目です。

親御さんの物忘れなどで少し心が疲れてしまった時は、どうか一人で抱え込まず、私たちのような外部の人間を頼ってくださいね。

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