こんにちは!太宰府市・筑紫野市・大野城市を中心に、訪問鍼灸マッサージを行っております「たがみ訪問鍼灸マッサージ」の田上雅寛です。
最近、施設のスタッフさんや、施設にご入所されている方を担当されているケアマネジャーさんから、訪問マッサージについてご相談いただく機会が増えています。
その中で、続けて耳にした言葉がありました。
「マッサージというより、リハビリをお願いしたいんです」
というご相談です。
なぜケアマネジャーは、あえて訪問マッサージに「リハビリ」を相談するのか?
最初にこのお話を聞いたとき、私は率直に、
「リハビリであれば、理学療法士(PT)さんが専門ですよ」
とお伝えしました。
もちろん、私たち訪問マッサージでも身体の状態を確認しながら、立ち上がりや歩行補助など、その方に必要な機能訓練を取り入れることはあります。
ただ、専門職としての役割や公的な制度を考えれば、本来は明確に棲み分けがある領域です。
ところがじっくりお話を聞いてみると、ケアマネジャーさんや施設の方も、その違いは十分に理解されていました。
そのうえで、あえて訪問マッサージに相談されていたのです。
介護保険の限度額だけではない、「キツすぎない機能訓練」という選択肢
ご相談に至った理由の一つは、やはり
「デイや他のサービスで介護保険の限度額がいっぱいで、これ以上リハビリを追加するのが難しい」
という現実的な枠の問題でした。
訪問マッサージは、要件を満たして医師の同意が得られれば医療保険(療養費)を利用できるため、介護保険の区分支給限度基準額とは別枠になります。なるほど、それなら訪問マッサージをご検討される理由としてよく分かります。
ただ、現場の理由はそれだけではありませんでした。
特に印象に残ったのが、
「専門職によるキツキツのリハビリをするというより、心地よくマッサージで身体をほぐしながら、無理のない範囲で身体を動かすくらいが、この方にはちょうどいいんじゃないか」
という現場目線の判断でした。
これを聞いたとき、私自身も「ああ、なるほど……!」と深く腑に落ちました。
現場で求められる「リハビリ」と、専門職が考える「リハビリ」のギャップ
専門職として「リハビリ」という言葉を扱うときは、当然ながら法律や定義、それぞれの専門性を正確に区別することが大切です。
一方で、現場の患者さん、ご家族、ケアマネジャーさん、施設スタッフさんの日常会話の中では、
- 立つ練習をする
- 少し廊下を歩いてみる
- 手足を無理のない範囲で動かす
- 今ある身体の機能をできるだけ維持する
こうした「生活動作を支える身体へのアプローチ全般」を含めて、親しみのある言葉として「リハビリ」と表現されている場面がとても多いのだと感じます。
今回ご相談くださった方々も、決して訪問マッサージと専門的なリハビリを混同されていたわけではありませんでした。
違いをしっかり理解したうえで、
「今のその方の体力や生活には、マッサージ+愛護的な機能訓練の組み合わせが一番合っている」
というあたたかい配慮から、「リハビリをお願いしたい」という言葉を使ってくださっていたのです。
言葉の定義を正すことより、その方の「生活のゴール」を共有したい
今回のご相談が重なったことで、訪問施術者として改めて大切なことに気づかされました。
専門職として制度や言葉を正しく理解し、線引きを守ることは大前提です。
ただ、現場で求められていることに対して、
「それはリハビリの範疇なのでできません」
「うちがやるのはあくまで訪問マッサージです」
と、言葉の枠だけで線を引いてしまっては、目の前で困っている利用者様やご家族の生活を支えることはできません。
その方がおっしゃる「リハビリ」とは、
- 身体のどこを動かしてほしいのか
- どんな生活リズムを維持したいのか
- どのくらいの運動強度・ペースを求めているのか
そこまでじっくり耳を傾けて初めて、お互いのゴールやイメージが重なり合います。
言葉の定義を大切にしながら、その奥にある「この方に、少しでも楽に、自分の力で動ける時間を過ごしてほしい」という現場の願いをしっかり共有すること。
日々の訪問の現場には、利用者様や多職種の皆様から教えていただく大切な気づきがまだまだたくさんあります。
その気づきをまたここでシェアさせてもらいますね。
それではまた。
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